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人間ーこの抽象的なるものの中で(3)

人間ーこの抽象的なるものの中で(3) 2004年7月8日 (Thu) 15:07:42

Ryookoがどこからかたこ焼きを買ってきた。「Bruxellesも食べる?」近づいていって口を開ける。「ハーイ」Ryookoが口に入れてくれる。2階からBさんが降りてくる。
「Ryookoさん、お茶でも飲みにいきませんか?」
主催者のBさんが誘う。Ryookoは背を向けたまま振り向きもせず「私、今、Bruxellesとたこ焼き食べてますから」・・!!
「たこ焼き食べてますから」などという理由で、Bさんのお誘いを断る?なんて人なんだ、Ryookoは。Ryookoも出品している。

Ryookoと初めて会ったのは島之内教会でのイベント。支路遺さんの演出の下、その場でセリフ別けして、ひとつの作品(Ryookoの)を二人で朗読した。来たばかりで私はなんのことかわからない。
(R)白い砂波が押し寄せ 
(B)音もなく崩れていった
(R)ひとつひとつの砂丘の列が
(B)再び形をいだき 地上に現れたのは
(R&B)果たして
(R)何を見るためであったのか。
女友達の名前を呼び捨てにする趣味は私にはない。しかしRyookoのたっての望みでそうしている。例外。アンダーグラウンドの匂いがした。はじめて見るタイプ。次に支路遺さんの家でRyookoの詩集の試し刷りを見た。そして「あっ」と衝撃を受けた。「なんなんだ、これは!」かぁー!こ、こんな!・・「果ててよ果てて」というタイトルの詩。クックックックックックックッ・・果ててよ果てて、などという詩のタイトルって、あり?後に私はこのRyookoと大阪、神戸、京都、東京のジャズ喫茶行脚をすることになるのだが、、最初の印象は、危険、何でもありの人、ドキドキそしてやっぱりアンダーグラウンド。インタープレイ8に行けば、たいていそこに居る。お父さんは京大出の弁護士。本人はエスカレーターの帝塚山お嬢様。ショートホウプのすい方も実はこの人に習った。

「Bruxelles,Bさんと付き合うの、やめた方がいいよ」
アングラお嬢様はBさんが嫌いのようだ。

親友の姫神さんが来た。Bさんに紹介する。
「Bさん、こちら私のコンサルタントの姫神さん」
「お噂はかねがね、Bruxellesさんからお聞きしています」等とお互い言い合っている。「あの人に子供が居るなんてピンとこない」後でBさんの印象を姫神さんはそう言った。

3日目に母も来た。初めてBさんを紹介する。
母はBさんを「プレーガール」の沢たまきに似てるという。似てるのはアルコールで潰れた声だけだと思う。Bさんをわかりやすく言えば京マチ子の美貌と嵯峨美智子の妖艶さを足して現代風にした感じだと私は思う。(たとえが古くて申し訳ない)

Ryookoが次々に口に入れてくれるたこ焼きをパクパク食べながら「私は一体Bさんが好きなんだろうか。好きだとしたら、どのように好きなんだろう。そしてそれは何故なんだろう」と、ふと思った。
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Mireille MATHIEU 「Acropolis Adieu」

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人間ーこの抽象的なるものの中で(2)

人間ーこの抽象的なるものの中で(2) 2004年7月7日 (Wed) 17:50:44

MSを地下鉄の入り口までお見送りして戻ってくると、画廊の入り口で谷川君(仮名)が熊のようにウロウロ回っている。
「いらっしゃい。どうして中に入らないの?」
「ちょっとちょっと。僕あの人怖い。なんか、とって食われそうだ」
指の指す方を見るとBさんの姿が見える。
「クックックッ。心配しないで。あなたのように身体の大きい割りに心臓の小さい子羊は彼女の食欲をそそらないわ。大丈夫」
谷川君を中に入れてBさんに紹介する。
「この人期待に怯えているので、優しく取って食ってやってよ」
Bさんと谷川君は二階のテーブルに座って話し始めた。絶対合わないと思ったが、結構話が合うようだ。

谷川君は公務員。府庁に勤めている。お互いカッコ悪いので、学生時代の友人ということにしているが、実は電車の中でナンパされた。話してみると出身校が同じで、すぐに共通の話題がたくさん見つかった。経歴から見ると、比較的順調なエリートコースを歩んでいるように見える。第一おとなしい。よく声をかける勇気があったものだ。一口で言えば、女の子のお母さんに気に入られるタイプ。
背が高いのは中学の時にバレーボールをしていたためらしい。練習で疲れて帰るので食事の後すぐ眠る。毎朝3時に起きて、一年を通して水浴びをし、その後集中して勉強したそうだ。スポーツと勉強を両立させて一流の住高に進学した。私なんかが聞くとひっくり返るくらい意思が強そうだ。否そうして意志力を鍛えたらしい。感心、感心。
ただこの人異常に暗いところがある。

3回目に会ったときに自分を語り始めた。このママズボーイ小6から中1にかけて、札付きの不良だったとか。
「どういう風な不良だったの?」
「その辺のバイク盗んで乗り回したり、不良の仲間と行動を共にしてた」「ふ?ん、今のあなたからは全然想像つかない」
「僕は後妻の子なんだ。先妻の子、兄貴が二人いた。5人とおばあちゃんで暮らしてたんだ。ある日二人の兄貴が家出。自分の実母のところに行ってしまったんだ。それでおふくろが「愛情込めて育てたつもりなのに」って怒り出して、親父とけんか。離婚という話になった。もう家に寄り付きたくなくなったんだよ。毎日ムシャクシャしてた。そしたら不良のやつらが自然と集まってくるんだよ。あれは不思議だ。不良には不良仲間の引力ってもんがあるんだよ。あいつらといると、安らぐんだ。それに楽しい」

結局離婚はせずお父さん、お母さん、おばあちゃんは今も一緒に暮らしているらしい。谷川君は就職と同時に家を出ていた。公務員という職業が今ほど人気のない時代、お父さんと同じ職業を選んだ自分の人生に納得が出来なくて、司法試験の勉強を続けていた。だからアパートも図書館のすぐそばだった。・・

ガラスの外からBさんを見ただけで、何故びびったのだろう。彼もBさんの迫力、Black Magicを感知できた一人なのか。

テーブルを挟んで二人はごく日常的な大真面目な顔をして、太宰や、安吾の話などをしている。(続く)
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Gerard LENORMAN 「L'enfant des Cathedrales」

この抽象的なるものの中で(1)

この抽象的なるものの中で(1) 2004年7月6日 (Tue) 17:51:42

曽根崎新地の角のABC画廊でBさんが大イベントを実行した。詩画展、人間ーこの抽象的なるものの中で。絵画活動、文学活動をオンタイムでしているアーティスト36人が集合した。Bさんのコレクションから大正、昭和初期の文豪の自筆原稿の展示も少なからずあった。

Bruxellesは「置き去りにされた夜明け」というコンセプトで小作品を5点出品。波をイメージしたブルーの布を広げ、その下で音も鳴らした。音はその頃熱狂していたジョン・ケイジから刺激を受けたコンクリート・ミュージック。音源は自分があちこちから採集したもの。音源採集の趣味はその後もかなり長い間続いた。
New Yorkのパトカー、メンフィス上空単独飛行中の飛行機のプルペラ音、「2N世代」Partyの会話、フォンテンブロー宮殿で感情を取り乱し、泣いて鼻をかみながら説明する、フランス人女性ガイドの声、ヴァンセンヌ動物園の動物の声、パトカーでしょっ引かれるアラブ人の叫び、ピラミッド内部の音、渋谷のジャンジャンの雑音、マレーシア縦断鉄道の音etc,。
髑髏を描いた箱に、灰と貝殻を入れ、その上にロシア革命時の革命紙幣をしわくちゃにして乗せ、線香で燃やす、といったもの。タイヤの取替えができる古い大型のジープのおもちゃに、白い包帯を巻いたもの。昭和20年3月13日(金)の大阪大空襲の日の父の日記を拡大パネルにしたもの。キャンバスに友人たちの住所と氏名をびっしり書き、上から白色で完全に塗りつぶしたもの、など等。2階の一角を占めた。
「夜明けに誰かに、置き去りにされた経験があるのか」と聞く無粋な男たちにも、その都度「夜明けそのものが、置き去りにされた、という意味です」と律儀に答えた。

前の会社の社長が、親会社の部長でもあるので、そこの運転手付のリムジンに乗って、場違いに現れた。この人は、養護学校に母と一緒に私を見舞ったことのある、父の元上司だ。父の法要にも現れ、ゼーゼーいっている私を抱き上げた。あまりに体重がなくて、私は天井近くまで上がってしまった。水の入ったバケツのつもりで持ち上げたら、水が入っていなくて、頭の上までバケツが上がってしまう、というあの意表である。「『この子はあと1年持たないだろうな』とあの時思った」と、その後何度も聞かされた。東大薬学部卒の薬学博士。東大在学中に実家が倒産、ラーメンの屋台を引いて8年かかって大学を出たという苦労人だそうだ。今や大会社の部長なのだが、苦労が身に沁みて身体全体が貧相なのが欠点。かなり上手に、海やヨットの油絵を描く趣味人でもある。
2階からぶら下がった、誰かの出品作品である、性器をむき出しにした金箔の、首吊り状態の、幽霊人形を見て、ギクッと顔色を変え、記帳もせずにUターンして出て行ってしまわれた。

イベントが終わって1ヶ月した頃、大沢さんが「話の特集」を届けてくださった。第一ペイジに寺島珠男さんが、このイベント、特にBruxellesのロシア紙幣の作品について、高い評価のコメントを書いて下さっていた。それが大沢さんの目に留まったのだった。大沢さんはこの頃すでに会社を定年退職して、Bさんの男Cさんと同じプロダクションに所属する、TVタレントに転身されていた。(続く)

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Alain Bashung 「 Les mots bleus」
 これは、ほかの誰かの声で、よく聞いたのだけれど。
 なかなか味のあるいい曲だと思います。

迫力のある人(6) 告白編

迫力のある人(6) 告白編 2004年7月3日 (Sat) 19:10:57

「包丁突きつけられて、どうしたの?」
「取り上げようとして、腕をつかもうとしたら振り解かれた。」「それで」「テーブルに力任せに包丁を突き立てようとしたのだと思う。昔、押し売りがしたように、グサッと」「それで?」「岡田さん(仮名)がエイって言って投げたんだけど、そのテーブルの板がデコラ張りで、カタカタカタって、また気の抜けた音がしたのよ」「クックックッ。そ、それで。クックックックッ」
「Bruxellesさん、ここは笑う所と違うよ」「ごめんごめん、クックックッ、それで?」「それでワァーって泣き出した。そこまでいったら、泣くしかないでしょ。人間の感情として」「そのカタカタで、笑うという方向もあると思う」
「あそこで岡田さん、おかしくなったのよ」「それいつごろの話?」「一年半くらい前かなあ」「じゃあ、噂は本当だったのね」「なんの噂?」「えッ、あのBさんが、B太夫がさ、女を精神病院送りにしたという話。どこで、どういう関係を持っていたの?」「私、腎臓病で、入院してた。そしたら、あの人が布団の中にもぐってきたのよ」「病院の病室で?」「・・」「岡田さんも、女学生でもないのに、なんでそんなに思いつめたんでしょうね」「・・」
「一年半前の6月だったら、岡田さん私の2N世代の出版記念Partyに、木村さんにエスコートされて来たよ。正常だったけどね。イエローのスーツ着て」「それは私が上げたものよ。6月末におかしくなったの」
「じゃあ、あのすぐ後。木村さんが2N世代、Bruxelles6月25日と刻印した鉛筆をお祝いに5ダースくれたから。B太夫も罪深い過去があるのね」
「今ね太って60?もあるそうよ」「えェ、Partyに来たときせいぜい48?くらいに見えたけど。薬の副作用?今はもう回復したのかな。向こうのダンナさんに怒られた?」
「男の沽券に関わるでしょう、怒ったら」
「谷崎潤一郎の世界ね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「母は止めなかったの。知っていたのよ、父が死ぬって。TVで青酸カリ飲んでウウウってもがくシーンがあるでしょ。あんなのウソよ。ウッっと一瞬で終わり。私の目の前で父が自殺したの。四国で貴族議員をやってたの。だから私は母を許さない」「多感なときに目の前で・・」
「その後戦争。Bruxellesさんは知らないだろうけど。焼夷弾の下を走った」「B太夫に会った時、迫力のある人だと思ったけどそんな過去があったの・・。お父さんが死んだら、お金持ちの家も突然貧乏になるわけだし。まして戦争の混乱・・。それから戦後の混乱。治安も悪かったろうし、B太夫はどんな青春をおくったの?」「一言では言えない」

私はB太夫とニックネイムを付けたBさんと、畳の上に寝転んで「海ゆかば」を小さな声で歌った。・・

Bさんが求めているのは、人妻の岡田さんや男優のCさんや夫のDさんではない。混乱の中で迷子になった小さな女の子、自分自身のような気がする。
「Bruxellesさん・・」
「B太夫、やっぱりカタカタで笑うべきだったんだと思う。あのね、笑いだけが、状況を救う場合が、あると思う。笑いって、すごいよ」

迫力のある人(5)脇役編

迫力のある人(5)脇役編 2004年7月2日 (Fri) 17:52:09

カランカランカラン。北新地のスナック「ニュース」に入っていく。ママさんは電話したまま。客は誰もいない。TTに自分のボトルを自分で取って、氷はそこ、水はあっちと顎で合図する。TTが自分と私の分の水割りを作ってくれる。ママさんの声は客が来て一段と大きくなる。

「何で私の良さがわからんねやろ、うちの亭主。向こうのだんなを連れて部屋にいったんよ。昼間っからカーテン閉めたまま。灰皿は、タバコのかすが山盛り。怒鳴り込んでいったんよ。最後は警察も連れて。なかなか戸、開けへんのよ。あんな女のどこがええんやろ。そうそう、なんか若い女の友達がいるそうやけど。そうそう、ちょっとは亭主、解放してくれたらしいけど。今度は亭主のほうが捨てられたと思ってムキになって。あんな女にかかったら仕事もなくなる。タチの悪い女やから」

これが噂に聞く昼メロ男優Cさんの女房だった。Bさんから聞くところによるとCさんは子供を突きつけられ、責任をとる形で結婚したらしい。Cさんもこの店「ニュース」を普段は手伝っているという。TTは私の友達のBさんがこの醜いママさんを、さらに醜くしているこの状況を、私に見せようとこの店に案内した。およそママさんという雰囲気の人ではない。Cさんでなくても逃げる。男の客もたいていはCさんと話すために来るらしい。ママさんにしたら亭主がいないと客も来ない。死活問題なわけだ。若い女の友達って、私のこと?私がBさんと以前のように毎夜ハシゴしていれば、このママさんの幸せを守ってあげることができたわけ?
それにしてもこのママさんの口から伝わって来るBさんもCさんも、なんて醜く、だらしなく聞こえるんだろう。

実は以前Cさんと居るBさんを2度ほど目撃した。私は親友の姫神さんと一緒で、2度とも彼女が先に気づいた。
「Bruxellesちゃん、あの方、Bさんじゃない?」
一回目は近鉄百貨店。言われて2階から1階を見たら二人で踊るように身体を寄せていた。なんて絵になる二人なんだろう!
2回目はガラス張りのドイツ式ビアホール。姫神さんに言われて、ガラス越しにトントンと合図した。Bさんが中から出てきて「入っておいで」と言った。
姫神さんが先に帰って、私はCさんに紹介された。大人の男女の濃厚さと、お互い子持ちの美男美女の、フランス映画のように堂々とした不倫振りに圧倒された。Cさんがいきなり私を睨む。ちょっと待って、私は単なる子供ですよ。
BさんとCさんと、新地の占い師に占ってもらった時「若い女が現れてBさんとCさんの仲を引き裂く」と言ったなんて、その時の私は知る由もない。

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「Mon credo」 par Mireille Mathieu


六本木のMM

六本木のMM 2004年5月9日 (Sun) 16:43:29

「あなた、池玲子に似てるね」
「えぇ、池玲子って、日活ロマンポルノの?」
「そう。」
「まさか?。そんなこと言われたことない。養護学校にいる時は小百合お姉様って言われてたんだから」
「小百合って、吉永?まさか?」今度はMMがズッコケた。
「少なくとも清純派でしょう」
「私のこと何か聞いてる?」
「何も。Gribouilleが今夜は六本木のMMの所に泊めて貰えって。でお店に連れて行かれた。」
「貴方さっきお店で私のこと徹底的に無視したでしょう。全然興味ない顔してた。ツーンって。」
「あっ。御免なさい。一人でラストまで待ってるって。うーん。どんな顔してたらいいか、分からなかったから。」
「私はねトランクひとつ下げて広島から東京へ出てきたの。これがホステスの契約書。」
「これが雇用契約書、あのお店との?」
「以来7年間、無遅刻,無欠席よ」
「へーえ。私なんか、有遅刻、無出席よ」
「学校行ってないの?」
「行ってない。第一今無いもの。封鎖中。」
「明日休みだから、今夜ゆっくり話そう」
・・・・・・・
これが六本木のホステスの一人暮らしのお部屋か、と思ってじっくり見回すと、人が一人いた。小さな存在感の無い茶髪の子で、黙って、ひっそり、マニキュアを塗っている。
「貴方いくつ?16位?」「17」「何してるの?」「ホステス」
「ねえ、あの子誰?」
「同居人」
「お手伝い?」・・・もう一度その子の方を見ると、その子は自分はこの人の恋人だと目で訴えた。

「ほら、そこに仏壇があるでしょう。私は毎日お花を上げてる。毎日手を合わせてる。物凄く好きな恋人がいたの。でも死なれた。首吊り」
「何歳ぐらいの時。相手は何歳、どんな人だったの?」
「私はまだ高校生だった。相手は40歳くらい。その人には私と4歳くらいしか違わない娘がいた。」
「どうして知り合ったの?」
「電気屋さんの奥さんだった。電気製品買いに行って」
「ええぇ!!それで?」
「一緒に暮らし始めた。娘も引き取って。」
「揉めなかった?」
「離婚するときは大騒ぎだった。」
「それじゃ、広島にいられないね。」
「これが、その恋人と交わした手紙の束。全部取ってある。読んでもいいよ。」
「・・・・・・なんだかやけに具体的ね。へーえ。ふーん。わーあ。すっごい。濃厚。回数まで具体的に。・・・これさあ、あのー、日活ロマンポルノみたいな、手紙ね」
「そんなこと言うんだったら、もう返して」
「御免なさい。そんなに、めくるめく、ものかと思って」
「私はね、高校やめて朝昼夜と働いたんだけど、結局、生活がおっつかなくて」
「追い詰められたのね。」
「ある夜ね、働いているとき突然、ドスーンという音が聞こえた。身体が硬直した。その時まで自殺は全く考えもつかなかったのにその音が聞こえた時、あっ、あの人が死んだんだって思った。」
「ええぇ・・・!」
「そしたら、その時刻にあの人が首をくくって死んでた。」
「・・・・・・・」


2年ほどして六本木のMMのドアをノックした。
パジャマ姿のMMがステテコ姿の新聞社の幹部と、銀座に店をオープンするプランを練っていた。
「オープンのお知らせ文の文案を考えてたとこ。Bruxellesも文案一緒に考えてみてよ」

こうして銀座のママが一人デビューする。


今日は,Barbara,Juliette Greco,Germaine Montero,Monique Morelli,Catherine Sauvage,Francesca Sollevilleらが歌っている「La chanson de Margaret](ピエール・マッコルラン作詞ヴィクトル・マルソー作曲)をお勧めします。バルバラの「Madame」はこれが下地ではないか、と思うような内容です。L'aigle noirの面影さえも後半には見える。私も好きなシャンソンの名曲です。


藤十郎の恋

藤十郎の恋 2004年4月14日 (Wed) 20:46:48

迫力のある人(4) 脇役編
「こんなこと、初めてじゃない.せやけど、あれは男に惚れるような玉じゃない。bruxellesさんと知り合って、ワシホットしてましてん、あれも変わると思って。どこ行ってはったん?・・あれは、男を肥やしにしてますねん、言うたら、藤十郎の恋ですわ」
Bさんの夫Dさんは、車を運転しながら、息子の前で、妻を褒めたり蔑んだり。心の動揺を隠せない。この人,一代で財を成した立志伝中の一人。親戚の反対を押し切って、妻を離縁し、Bさんを迎え入れた。やり切れない思いが吹き出ているのだろう。「何ぼなんでも他人の亭主に手ェ出したら、あきまへん。最低の女ですわ」「ワシ腹の中真っ黒ですけど、あれは心のきれいな真っすぐな女です」Bさんの息子の気持ちを思ってハラハラした。と、頭の中で急に、セルジュ・ラマの声が鳴り響きだした。
Je suis content,Je suis content,Je suis content,Je suis content,Je suis content,MAIS COCU!(ピガールの娘たち)
オレは嬉しい、オレは嬉しい、オレは嬉しい、オレは妻を寝取られて嬉しい、全くめでたい男だーーーー!×!×!×!×!×!


菊池寛の「藤十郎の恋」にこんなセリフがある。一盗(とう)二妾(しょう)三婢(ひ)四妻(さい)。福島瑞穂が聞けば、卒倒しそうな言葉だ。                               


迫力のある人 その3 道行き


迫力のある人 その3 道行き 2004年4月11日 (Sun) 14:53:08

一ヶ月東京で居候して帰ってきたら、Bさん、今度は昼メロの主演男優Cさんと道行きして、姿を消していた。「末の妹」の私は、Bさんの夫Dさん、Bさんの子供と三人で、Bさんの行方を捜した。あちこち捜して、炎天下クタクタになった。「私は一体何をしてるんだろう!」ふと、われに返って、馬鹿馬鹿しくなった。家に帰ったら、丁度Bさんから電話がかかってきた。「これには、深いわけがある。決して駆け落ちなんかじゃない。相談したかったけどいなっかったでしょう。会いたいけど」という事だったが、断った。確かに深い訳があったようだが、もうこれくらいにしておこう。

健全なnaturalistの私は、今日は山へ竹の子堀りに行った。小さな竹の子を8っつ掘り出した。松茸ではない。


迫力のある人 (つづき)

迫力のある人 (つづき) 2004年4月10日 (Sat) 15:35:01

慣れてくると迫力が薄れて、今度は町会の風紀委員になったBさんを、会う度にふざけて、わざと路上で投げ飛ばすようになった。他人の許容度の限界を確かめていたのだと思う。頭から突然コップの水をかけたり、顔面キックを放ったりした。限界はなかった。ただ、カウンターに並んで座っている状態で、どうして顔面キックができるのか、不思議だ、と感心した。もうひとつ感心させる特技があった。座ったままの姿勢で、テーブルの向こう側のソファーに飛び移れた。(博多淡海の芸だ)。何故そんな事が出来たのか、もはや自分でも分からない。

追記:
さらに2年ほどして、新聞を見て驚いた。新地の例のラウンジが、賭博で摘発されていた。電話したら、もう手を引いていて、関係ないとのことだった。よかった。

迫力のある人

迫力のある人 2004年4月9日 (Fri) 17:57:12

あるバーでZXさんに、前からお互い名前だけを知っているBさんを紹介された。明日二人で会いましょうという事になって、喫茶店で待ち合わせした。その人の迫力に圧倒されて、気がついたら、グラビア雑誌を逆さまに持っている自分に気づいた。その後何軒かはしごして、盛り上がって、隣の知らない人達のグループと度を越して仲良くなって、格式の高いクラブから不謹慎だと最後は追い出された。とっくに終電もなく、タクシーで家に帰った。あの時のBさん以上に迫力のある人に、その後会っていない。

追記:
100%素人のBさん、2年位後に全く突然、北新地の高級ラウンジのオーナーママさんになった。朝5時まで営業していた。私も何度か行った。その何度かのなかの3回はピンチヒッターのホステス。お客さんには「末の妹です」と紹介された。
追記:
2年もしないうちに、今度は店を手放した。あるとき帰ったら、息子がスプレーとライターでプラスチックの怪獣を燃やしているのを見て、すぐに決断したらしい。お店の名前はそのまま残った。

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