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「遠近法の書」(または昨日の追記)


「遠近法の書」(または昨日の追記) 2004年9月29日 (Wed) 18:20:56

・以前原田さんは私に「東京でと同様大阪でも周りの人を煙にまいているだろうBruxelles」と言ったことがあるが、原田さんの煙にくらぶれば私の煙など、遊園地の忍者アトラクション程度のご愛嬌である。原田さんの煙はすでに彼女自身を足元からすくっているように思えるときがある。・・(略)・・
もしかして人間存在とは火葬するときに吐く煙の色に過ぎないのでは、と思うときがある。少なくとも存在とは、そういった比喩の連続ではないだろうか。
ー思潮社刊「遠近法の書」(原田かえで著)詩集評より抜粋ー
...................................................
「海とユリ」の合評会が終わって帰る途中、イスの片付けをしてこなかったと気づいて、急遽早稲田に引き返した。すっかり片付いて照明を落とした店で、ママさんと原田さんがしみじみと語り合っている。「私の美しい背中を見てくれ」といつも背中しか見せない原田さんが、ほとんど無防備な姿で、ママさんに若き日の結婚の失敗を語っていた。「失敗」という言葉から1番遠いところに居る筈の原田さんが。場違いなので黙って帰ろうとした私に気づいてママさんが声をかけた。
「今日昼間,早稲田の学生たちが、Bruxellesさん、あなたのことをここで話してたわよ」
私の知らない原田さんが振り向いた。
ママさんは”失敗”の相手も知っているらしかった。フレーベル館で見る颯爽とした原田さんではなく、まるでフラレ女のように繰言を並べる原田さんが居た。場所と相手によって人は豹変するものかもしれない。

しばらくして原田さんから、彼女が以前思潮社から出した詩集「野猿伝説」が送られてきた。私よりも親友の姫神さんがファンになった。どこがいいのと聞いたら「自分をハイエナに擬するその視点の決意に感じ入る」と言った。確かにその頃原田さんは「詩学」に「マッカナソラトビー」と言う素晴らしい作品を発表していた。

4年後彼女の翻訳本「エルフランドの王女」(原作ロード・ダンセイニ。月刊ペン社妖精文庫)が送られてきた。ゲーと言うほど文字で一杯の本だ。翻訳家デビューしたことになる。さらに2年後「影の谷年代記」(原作ロード・ダンセイニ。月刊ペン社妖精文庫)が出版された。そしてそれはさらに12年後「影の谷物語」(ちくま文庫)として筑摩書房から再販された。

これらの翻訳の後、原田さんは突如文武両道を志し合気道で全国制覇を達成。私生活ではかなり若い後輩と再婚した。出版社をやめフリーの編集者になってもいた。その後が原田さんらしい。1年もたたないうちに港区高輪になんと、整体治療院を開業、仲間達をアッと言わせる変身を遂げたのだった。

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「Marinella」 par Tino Rossi


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sweet kiss

sweet kiss 2004年9月28日 (Tue) 17:31:40

会場ぎっしり人が集まった。私が着席した目の前が原田さんだ。相変わらず色っぽい。目で語ってくる。どうしてこの人の前の席になったんだろう。今日はGribouilleの出版記念会(詩学社刊 詩集「耳」)だから、とりあえずホステスとして立ち振る舞おうと決めていた。でもこれだけ見つめられたら、立てない。私も視線を外さないでおこう。・・

他の人達は会場で配られた私の「耳」論をパラパラと読んでいる。詩学社の大西さんに印刷してもらって、とりあえずは私からのGribouilleへの出版記念プレゼントだ。彼女の言語機能は「闇夜の白ステッキだ」と論じたこの文章、38枚書いて彼女に見せたら、いろいろ抗議が来て、二人で相談しながら、糊とハサミを使って原稿を切りチャンチャコ、特に前半の部分は大幅にカットされた。出来上がってみると、かなりよくなっている。
「Bruxellesって素直ね。これだけカットしても怒らないのね」
「確かに過剰な部分もあったから」
Gribouilleが満足してくれたら、それでいい。私もこんな作業がこれだけ楽しいとは思わなかった。原稿はクールで完璧に仕上がった。これを書いて、Gribouilleから少しづつ遠のいていこうと思っていた。

キンダーブックの女性編集長の原田さんは一度離婚している。Gribouilleよりさらに少し年上。手帳のスケジュールはいつもギッシリ。文学を語るにはビジネスライク過ぎる、いい意味でも悪い意味でも大人だと言う、噂の人だ。

う?ん。この眼は誘っている。う?ん、なんとなくお互い了解。OK? OK。小さなテイブルを挟んで5?ほど近づく。5+5で10?。さらに5?近づく。5+5で合計20?。さらに5?。お互い10?まで近づくと、もう目を見詰め合うことに耐えられなくなる。前頭葉のテレパシーが全開する。相手の顔だけが世界のすべてになり、距離を縮めること以外何も考えられない。7?くらいで周囲のざわついた空気をシャットアウトする意味でも目を閉じるしかない。首を伸ばす。5?位か?相手の息が鼻や口にかかる。その体温さえわかる。あと2??しっかり目を閉じると距離が見える。あと1??息を止める。ここで首を突き出すなどという、野暮なまねはしたくない。苦しくてお互い少し息をする。息が過敏になっている唇に降りかかる。さらに3?。息と息で触れ合っている。思いっきり情念を込めて相手の息を吸い込む。呼吸が速まる。触れていない唇の存在を感じる。意識をholdに向ける。何秒間か。行く、しかない。でもその直前にお互いの意志力で(?)同時に思いっきり身を引く。ゆっくりと目を開けて、お互いを見つめかすかに微笑む。それからそっと相手を称えるウインクを交わした。

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「Ma jeunesse fout l'camp」  par Francoise Hardy


万博前の日本の若者達の叙情11選

万博前の日本の若者達の叙情11選 2004年8月2日 (Mon) 18:19:51

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一人去り二人去り 静かに鏡の割れゆく夕べ (道上大作)

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だってパパ そこからひどく傾斜した海    (吹田まどか)

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処女(ヴァージン)の墓の柵を 意識でよこぎる蝶
                      (本間美千子)
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半島の先端で愛吐くわが髪の伸縮       (森 竹男)

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死んでも良かったかなァ 小さなへこみに 煙草一本分の灰
                       (渚 ゆう)
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やがて川となり裸体を流れる黒髪       (後藤すみ子)

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落日さぁん何処だ何処だとビルは夏の墓     (三枝宏子)

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ふりおろす鞭の そこに馬はいない      (貝塚千加夫)

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八月十五日の空は皆それぞれの上に垂れ     (森さやか)

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春の剣持ち変えて許す気のない俺にする    (若生敬一郎)

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Bruxelles特選
燃えろアミーバーの海 墜落する挙手に 集中する夕映え
                      (石原明)
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Parlez-moi d'amour par Lucienne Boyer


キッドアイラック・ホール


キッドアイラック・ホール 2004年7月29日 (Thu) 15:53:11

上京の度に会うのはGribouilleやフレーベル館の原田さん以外にもう一人いた。その人はアオイ工務店の跡取りで工学部の学生、本田さん。葵プロダクションを併設していて漫画家のつのだじろうが歌手のつのだひろよりも有名だった当事の、つのだひろ、のマネージャー兼トランペッターの沖至のマネージャー。沖至が詩の朗読とのコラボレーションをしていたので多分その辺の関係で出会ったのだろう。私と同じで60年代のアメリカンヒットポップスを殆ど全部知っている。いつもそんなことを話していたように思う。
「明日、キッドアイラック・ホールで三島由紀夫のイベントがあって、そのあと出演者たちが沖さんのヨーロッパ壮行会に流れていきます。Bruxellesさんも出席しませんか?」
「キッドアイラック・ホールって、音がきれいですね」
「これね、喜怒哀楽から来ている日本語なんですよ」
「面白い。大阪にOS劇場がありますが、これは応援のオーエス、オーエスという掛け声から来てるんですって」
「それも面白い」・・・・・・・

ミュージシャンと詩人の集まりだった。さすがにノリがいい。知らないもの同士とは思うのだが最後は輪になって、前の人の肩に左手を乗せて右手を高く上げて、ぐるぐる回って踊った。楽しくて笑いっぱなし。

吉原さんがいる。挨拶に行こう。
B「unique ballet theaterの『昼顔』見ましたよ。最後に山田奈々子さんが全裸になられたあの演出、衝撃的でした」
吉「私theaterのthを、あなたのように正確に発音する日本人に初めて会ったわ」
B「シアターとは、いくらなんでも言えないでしょう。・・私ね、吉原さんの息子さんに似てるって友達のGribouilleに言われるんです」
吉「ちょっとそのサングラス外してみて。・・あなたは私の若い頃にむしろ似てるわ」
吉原さんは三陽レインコートの創業者令嬢で、東大仏文卒、元女優、『昼顔』で高見順賞を受賞されたばかり・・・そんな人本人から似てると言われて思わず顔がにやけてしまう。

山田奈々子さんを眼で探したら、すぐに眼が会った。グラスをグイッっと上げてこちらを見て、微笑とウインク。ヒュー。カッコイイ。ダンサーの山田奈々子さんは山田真二のお姉さんだ。山田真二はその昔『哀愁の町に霧が降る』を大ヒットさせた初代超二枚目俳優だった。私もグラスを上げて、離れたままで乾杯!!

沖さんは半年前『詩と思想』の音楽評の取材でインタビューしている。ツーショットの写真も掲載した。もうヨーロッパに移住してしまうのか。今日は沖さんのpartyだからミュージシャンも多い。暗いところで住所氏名を交換する。緑川さん、深町さん、副島隆彦さん、・・タージマハール旅行団の小杉武久さんともこの時会ったような気がする。とにかく皆カッコイイ。擬似失語症経験のある私は小杉さんの音楽が一番身近い。

この日、思いもしなかったけれど、ヨーロッパに渡った沖さんと2年後にパリの小劇場で再会する。沖さんは山下洋輔トリオの坂田さんのようにavant gardeなplayをされた。管楽器一つを持ってParisで暮らしている沖さんは永遠のチャレンジャーだ。沖さんは今後何処へ至るのか。

そしてこの夜グデングデンに酔っ払った吉原さんの運転で送ってもらった。「お命預かります」そう言われた。その吉原さん、10年にわたるパーキンソン氏病との戦いの後、2年前に亡くなられた。大きな大きなショックだった。

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「Mon Amour Mon Ami」   Marie Laforet
ギルバート・オサリバンの「アローン・アゲイン」にどこか通じる幼い哀愁を感じる曲。


My Name Is Wednesday

My Name Is Wednesday 2004年7月28日 (Wed) 16:15:28

(21)人間は自らに主体を持って主張するのだろうか。主張が人を通過して主張するのではないだろうか。

空が見事な色彩に輝くとき、色付く主体は間違いなく夕陽(空)であるにもかかわらず、決して夕陽(空)が主体を持って色付こうとするのではないように。?・・・?・・・?


Ma petite Mieを肩車したり、追いかけっこしたり、飛行機といって振り回したりして遊んでいると、電話が鳴った。
「もう1時間半、頭にハンカチ乗せて待ってるんですけど」「あらッ。ごめんなさあい。すっかり忘れてた!」

先週の日曜日「現代詩手帖の年鑑で住所を見たんです。僕も詩を書いているので、見てほしいんですけど」と電話がかかって来た。「目印にハンカチを頭に乗せて」と確かに言った。場所はミナミのヤカタ。「すみません」話してみると会社が近くだった。「日時を改めて」

「弟が堺で喫茶店してるんです」
「じゃ、そこでお会いしましょう」
SKは童顔で真ん丸い縫ぐるみのような顔をしている。私は全然記憶にないが初めの頃は「ドッジボールに見える」と言っては両手で挟んで突き飛ばしていたらしい。「君は女らしい人ですね」SKは多分事実を無視してマニュアルの指示に従って言っているに違いない。

SKの家はオンボロアパートの大家さん。絵も描くと言うので2階に行った。作品に立体感がない。何なんだこの子は。青色をべた塗りすればマグリットの空になる、とでも思っているのだろうか。芝居のシナリオを書いて上演したこともある、と言った。ストーリーを聞くと、結構面白い。音楽の話になった。そしてその日2枚のLPを貸してくれた。1枚は野坂昭如の「黒の舟歌」もう1枚は丸山明宏の「ミロール」が入ったシャンソン集。「Bruxellesさんはミロールなんか歌えるんじゃない、きっと」「ほらほら、笑って、笑って、ほらほら」ハハッッッッッハハハ

ある日鉄道ストがあった。暇な人が電話をかけてきて、バスで集まれる人だけ家に来た。遠縁のトキちゃん、SK、WW法律事務所の石淵さんそして私。「最近書いた放送劇があるからそれで遊ぼ」

その結果サウンドコラージュテイプ「My Name Is Wednesday」が出来上がった。それは日常の場面をランダムに切り取って、音でつないでいく放送劇だ。
私はその頃国産第一号のシンセサイザー(ローランド)を買っていろんな創作音で遊びたくて仕方がなかった。「君の家はどういったらいいの?」「××あたりまで来て。そこでシンセサイザーの音が聞こえたら、そこがあたしの家だから。窓を開けてautoで演奏しとくから」
  ・・・・? ? ?・・・

ところで文頭の(21)は「My Name Is Wednesday」の第21場面である。たまたまここだけ、日常会話ではないが『文学部唯野教授』からの引用ではない。20数年古い。

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Brigitte Fontaine 「Comme a la radio」
曽根崎の角に「モガ」と言う骨董喫茶があった。そこでBrigitteに出会った。

VERTIGO

VERTIGO 2004年7月24日 (Sat) 18:09:37

パイロットの陥る症状のひとつにVERTIGO、眩暈がある。高度を上げていつの間にか空気が薄くなる。無意識に呼吸を速めて、結果過呼吸になる。生命の危機に遭遇した場合もドキドキして過呼吸になる。テクストが手元にないので22年前のあいまいな記憶で書いている。多分因果関係は合っていると思う。対策はビニール袋を口に当て自分の吐いた二酸化炭素をもう一度吸って酸素の量を減らす。治療に副作用も何もない。病気というより現象だと思えば言い。

眩暈は頭痛とセットになる場合もあり判断を狂わせる原因にもなる。それは大事故に繋がる。現象だと言えども、甘く見てはいけない。

夕陽は夕陽と言う名詞をあてがわれた存在のように見えるが、夕陽とは現象だ。存在ではない。

病気もガンのように存在する病気と、喘息のように、気管支が縮まり空気の流れが妨げられる現象の病気がある。

今一番恐れられている脳梗塞はどうだろう。血の流れが澱むというはじめは現象なのだが、繰り返されて血栓が存在するようになれば、除去対象ともなりえる固体存在だともいえる。

喘息も近年痰と言う存在に気道を塞がれ死に至る場合も多くなっている。?

夕陽もいつか存在になるのだろうか?

夕陽が泣いたり笑ったりする文学的世界と、あくまでも現象である物理的世界と、カテゴリー別に、名詞の機能分類、機能分析をする必要がある。

あなたは自分の生きてきた人生そのものが、果たして現象なのか、存在なのか、フと判らなくなったことが無いだろうか?

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Damia   「L'angelus de la mer」


Avec Gribouille

Avec Gribouille 2004年7月20日 (Tue) 17:32:33

「こんにちは」と一階のお母さんに大きな声で挨拶して、さっさと二階に行く。ドアをノックする。「どうぞ」
あれっ、Gibouilleが部屋の中で帽子を被っている。近寄っていって後ろから帽子を取る。丸坊主だ!!「どうしたの?」!

「空手は呼吸の溜め。呼吸をどうコントロールするかのアートなの。そして時間を溜めて、間を待つ。」ハッハッ、ハッ、ハッ、といって型をしてみせる。それにしてもいきなり丸坊主とは。「似合っている」、似合っていればいい。
Gribouilleは朝の5時に起き、6時に近所のお寺の早朝空手練習に通っているらしい。すごい意思力。

「そういえば原田さん、あの人合気道で全国優勝したらしいね。文武両道とかいって、ついこの間始めたばっかりなのに」
原田さんはGribouilleと私の共通の知り合い。神田フレーベル館のキンダーブックの女性編集長。早稲田の仏文を出ている。カッコいいので上京する毎に会っていた。文武両道に加えかなり色っぽい。言ってみれば烏丸せつ子、の色気。それでいて人を寛がせない鋭さがある。この人はブラジャーの下に知性のナイフを隠し持って、本当は怖いものなど何も無いのに、いつもドモリの九官鳥のふりをしている。複雑な人だ。この一筋縄ではいかない所が大好きだ。

Gribouilleが言う。「ものを書く人間は、時々とんでもない発想をしたり、それを言ったり書いたりする。でもそこまで。うちの父は実業家だから、本当に実際とんでもないことをする。」
「何をしたの?」「2千万円(当時のお金で)で女性求むって広告を新聞に出したの」「それで誰か応募してきたの?」
「2,3人に既に会ったみたい」へえェー。

Gribouilleとはある人を介して知り合い、文通をはじめ、万博の時に彼女が大阪にやって来て会った。いきなり「いままで自殺したことあるか」などという話題になった。前月号の「みずゑ」に彼女は新人美術家として4ペイジにわたって写真紹介されていた。その写真を見てすぐにグッと惹かれるものがあった。私は発作が出ていて腕に自分で注射を何本もして気合を入れて、彼女に会うために梅田に行った。お互い不安定な時期だった。私は祖母をなくしていたし、Gribouilleは過食症気味だった。Gribouilleとは、はじめから同じ語彙で話が出来た。ー

Gribouilleの紹介で「詩と思想」の座談会に出る事になっていた。Gribouilleは帽子を被って会場まで付き添ってくれた。

「今、詩に何が出来るか?」というテーマだった。
司会「今、こういう状況の中で、詩がいかに無力かと悩んだことはありませんか」
B「全然ありません」
もう一人の出席者男性A氏は、失恋して数年土方をした体験を語った。肉体の酷使によって精神が空洞化し、それがいかに人生の救いになるか・・・つまりは大衆又は信者構成論だ。もう一人の男性A'氏は閉塞情況と精神的無力感、そして友人の自殺など。
司会「お二人の話を聞いてどう思いますか?」
B「どうも思いません。失恋や自殺は今時ゴロゴロしている。つまり悲惨を悲惨と表現しているから悲惨なだけで、いかに現実を言語で掬い取りそれを再構成するか、詩とはそこを語るべきであり、そのためにもっと言語そのものの機能分析をすべきだと思います。災害地のTVレポートではないです」
反論をするつもりは無かったが、思わぬ方向に展開した。
A「あなたは内容を無視して、表現にのみこだわる。詩は現実の中に生まれ、そこで生きる、ひとつの政治的現実なのだ」
A’「あなたは相撲の土俵のように、狭い空間を切り取り、そこでコピーライターのように言葉の遊びをしているだけだ」
Gribouille「Bruxellesさんは、マラルメのような立場の言語論を言っているので、そこを理解しないと平行線になってしまう」見かねてGribouilleが横から口を挟んだ。勿論速記者は記録しない。雑誌掲載のため一人一人にカメラマンがフラッシュをたく。

「狭い空間?」A’は私がもともと第4の短詩系文学、一種の定型詩の全国的結社で、言語機能論ばかりを書いていたことを知っているのだろうか?1行詩を書くことは必然として言語機能を探求することになる。現実告発の政治手段として、言葉を、武器として無制限に用いることとはまるで違う。・・
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Gribouille   「A TA SANTE MADAME」


コンテンポラリーアート


コンテンポラリーアート 2004年7月17日 (Sat) 18:20:49

詩画展の頃好きだったのは、ジョン・ケイジ(現代音楽)クセナキス(現代音楽)ジャックソン・ポロック(現代美術)ロバート・ラウシェンバーグ(現代美術)アルビン・エイリー(コンテンポラリー・ダンス)モーリス・ベジャール(コンテンポラリー・ダンス)そしてジョージ・シーガル(現代美術)。私に石膏制作の技術があれば詩画展にシーガルの一体のようなものを展示したかった。Conceptualでなく具象が欲しかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・

音楽は抽象的だ。その分言葉に勝てるような気がする。詩は究極のところ音楽を目指したいのだ。伝達性から解放された抽象詩。音楽は抽象的である分、数学的でかつ哲学的でもありうる。クセナキスの音楽などイコール数学であり物理だ。そしてギリシャ哲学かもしれない。

詩画展の頃、西梅田の確かサンケイビルにアメリカ文化センターがあった。そこの視聴覚コーナーに行っては、コンテンポラリー・ミュージックとコンテンポラリー・ダンスのフィルムを見ていた。そこは宝庫だった。東京の現代音楽際にもよく通った。ワクワク楽しいのだが、直後が危険だ。”間(マ)”に打ちのめされて頭も心も原始に帰ってしまう。言葉や意味を剥奪されてしまう。
肉体への意識を覚醒させたくてコンテンポラリーダンスを見るのだが、あまりにも観念的だった私は、いつも惨めに自分の肉体存在を見失ってしまう。価値を見出せなくなり、しまいには息の根を止められてしまう。考えてみれば、そのパワーこそコンテンポラリーダンスの魅力だ。パワーに圧倒され自己否定と自虐に駆られて、また見たくなる。タナトスの誘惑。それが一巡して、時にエロスの喚起となる。

問題は一体何が”一巡”の原動力になっているのか、だ。

言葉や意味を剥奪され、原始に帰る、その過程の”危険”こそが、原動力のような気がする。この危険に充分拮抗出来るのは”魂の生命力”しかない。ゆえに”魂の生命力”が衰えれば、危険に拮抗出来なくなり、原動力も失墜する。一巡が不能となり、遅かれ早かれ、やがてはタナトスの手中に落ちる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コンテンポラリー・アーティストは、大胆にも神に催眠術をかけようとするスーパーマジシャンだ。人々はその透きに一瞬の至福を盗もうとする盗人だ。その透きに運命のDNAを書き換えてしまえ。
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「Cet enfant que je t'avait fait」
Brigitte Fontaine & Jacques Higelin
残念ながら決して日本人には、発想さへ出来ない曲。

オーディション

オーディション 2004年5月18日 (Tue) 16:30:49

リハーサルの後休憩。ここで衣装をつける人もいた。私はこのまま仕事に行くので、普段着のまま。
「ナントを歌った人、ドラマチックでしたねえ」
「ドラマチックな歌だからといって、激情的に歌えばいいというものでもない」
「確かに」 席をかわる。ナントの人の隣に座る。「バルバラお好きですか?」「もう3年も前から歌ってるわ」「私もバルバラ歌うんです。」「あなた、先生誰?」「えぇ??」「誰に師事してるのよ」 誰にって言われても。勝手に歌ってるだけなんだけど。そうだ、楽譜を採譜してもらった方がいる。ああ、もう13年前にもなるのかあ。でも伴奏もしてもらったし、歌ってたのだから、あの人を先生にしようっと。「あの、村田先生です」「MURATA、知らないわね、そんな人」・・この人シャンソン界のすべての先生をご存知なのか?・・「あなたは?」「××先生」
・・聞いたこともない。「音大の声楽科出てるの、私」「そうですか」 席をかわろうっと。

「声楽科卒の人とか、プロの人が多いですね。」
「私もロイヤルで歌ってるの」
「弾き語り?」「そう」「シャンソンですか?」「シャンソンはめったにない」・・・聞いた人全部が声楽科卒で、どこかで歌っている、と答えた。
一人若い子がアダモが好きで歌いたいと紛れ込んでいた。
「去年も神戸にアダモが来て、・・。あなた両方とも原語で歌ってカッコよかったですよ」「有難う。リハーサルも一番先に歌わせてもらったんだけど。ライトのところに立たなかったのと、先に帰りたいといったので、マダムの機嫌を損ねてしまいました」

ここは曽根崎新地のシャンソニエ。今日の最終オーディションで、一人だけプロデビューできる。東芝EMIの人も本番の審査に何人か加わる。どのピアニストで歌ってもそうだけれどL'aigle Noirは、終わり方が大変らしくピアニストはいつも焦り、かなり延々と弾く。オーディションでは、フェイドアウトできない。

さあ、本番だ!
♪ Un beau jour・・・♪
2曲歌うことになっている。アダモの「明日月の上で」
♪ A demain sur la lune・・・♪
審査中、他の人は全員店の外に出て、ひたすら順番を待つ。おや、マダムはカウンターに座って最後まで私に背を向けたままだ。きつい拒絶。
生の伴奏で歌うのは久しぶりだ。気持ちいい。最高!

外に出た。次の人とバトンタッチ。
「ねえ、私の声、聞こえてました?」
「聞こえてた」
「うまく歌ってました?」「・・・」バカな質問をした。
オーディションとは厳しいものだ。人生をかけている人もいる。仕事に行く途中に立ち寄ってヒャラヒャラ歌うのは、やはり不味かったかなあ。

「黒いわしを歌って、どうこう言えるわけでもないけど、選曲みんな、ほとんど同じね」
「楽譜が無いからよ。それに先生が持っていらっしゃる歌を教えていただくの」「私は昔、レコードから、採譜してもらいましたよ。セルジュ・ラマとかアンヌ・シルベストルとかも」
「そんなこと、頼めないわ」
「じゃ、ご自分でなされば?」「できないわよ、そんなこと」
採譜できなければ、取り寄せればいいのに。つまり、師事というのは、師匠の持ち歌を伝授していただく事なのか。××氏に師事がないと、モグリということなのか?

よし、今度万一、オーディションに出ることがあれば、桂米朝に師事、と書こう。



今日のお勧めは、アダモの「Mes mains sur tes hanches」(夢の中に君がいる)にしておきましょう。やっぱりC'est ma vie.にします。やっぱり「Chat gris chagrin」にします。


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