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真夜中の喫茶店で

季節は今頃だった。上高田のGribouilleの家の2階の部屋に二人でいた。Kはまだ近くにアパートを借りて住んでいた頃だ。夜中の1時に電話が鳴った。Gが親しそうに話している。誰なんだろう。
G「じゃ荻窪で」と電話を切る。
B「今から出かけるの?地下鉄動いてる?」
G「Bruxellesもおいでよ。紹介しよう」
Gと一緒に真夜中の街に飛び出した。暗い道をどんどん歩く。歩くだけでなんだかウキウキする。
神社の中を通ったら、木に注連縄がぶら下がっていた。それを頭に巻きつける。
B「どお? New Fashion,似合う?」

角の喫茶店の2階にGよりも若い男子学生がいた。めがねをかけている。
B「こんばんわ。はじめまして」
学生はギョっとした表情をみせる。注連縄のせいか?
劇団を主宰して、ヨーロッパ公演を成功させてきた人だと言う。東北の実家のお父さんが倒れて、長男だから帰郷しなければならない。それで、劇団をどうしようか悩んでいる様子だった。私の出る幕ではない。ポカンと他の事を考える。学生は私のそんな様子が気になるようだ。
G「あぁ、この人のことは、気にしないで。いつもこうしてラリッてるから」
(ラリッてる、私が?Gribouilleにはそういう風に見えているのだろうか? 面白い!)
G「これね、ハチマキの代用らしい。ちょっと頭痛がするんだって」
B「頭痛だけじゃなくて、さっきの薬のせいで、手の震えが止まらない、ほらっ」
G「この人、大阪から来て、今(私の)家にいる。この人は薬が、なにしろ主食で、次々と飲んでいるから」
(そう言われてみるとそうだ。薬を主食にして生きているようなものかもしれない。Gribouilleって危険な人を泊めているのだ、でもそれって私?)
(こう紹介されると非常に楽だ。すき放題のことを口に出せる)
それにしても、こんな普通に見える学生が劇団を主宰しているのだろうか。
学生「みんなに、やめないでって言われている。つかさんが今やめたら、日本の演劇界が100年後退してしまうって」
(クックックッ。自信家なんだ、この人)
GribouilleのKOの後輩では、KKを先に紹介されている。KKとはすぐに気があったけれど、この人は私に違和感を感じすぎている。私からこの人を見たら普通過ぎて、KKほど面白くない。
この人に寺山や唐の才気は感じられない。でもこの人には実績がある。なにしろ学生劇団のヨーロッパ公演だもの...。悩みの内容も、しっかり大人だ。この人は人生を手前にしっかり引き寄せている。この人が私に違和感を感じるのは、私が人生を手放しているからかもしれない。

・・・・・・
1,2年くらい後だっただろうか、詩誌「詩と思想」が創刊されて、Gの紹介で私がJazz評を担当し始めた少し後、つかこうへいが同誌に演劇評を書き始めた。彼の名前は既にマスコミに登場し始めていて、あの悩める学生が、つかこうへいだと言うことも、その頃にはもうわかっていた。
Gと彼がどういう経緯であの日真夜中にわざわざ会ったのか、それは私には外側のことなので、一度も詮索したことはない。真夜中の密会?に同席させてくれ、私の同席を一生懸命弁解していたGに、夜道を歩く楽しさを教えてくれたGribouilleに、今でもただただ感謝している。

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