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まじまじと穴の開くほど...

このところ、その祖母の姿をしきりに思い出していた。廊下の隅にしゃがんで、ガラス戸で体を支え、じっと庭を見つめていた。何かを深く考えている、子供にもそれがわかった。
「おばあちゃん、どうしたの?」
おばあちゃんのお小水が、今朝オレンジ色をしていた、と心配顔の返事が来た。
「ビタミンを飲んだり、粉末ジュースを飲むとおしっこに色がつくよ」、と私は言った。
おそらく祖母一人が死ぬほど心配し、私は気にも留めなかった。気にも留めなかったが母や兄にも「おばあちゃんのおしっこがオレンジ色なんだって」と伝えたと思う。母や兄には耳に届いたはずだが、もうひとつの耳からすぐに飛び出して消えてしまったようだった。
それから1,2ヶ月して祖母は寝込んだ。1ヶ月ほど寝込んで、たしか10月頃入院し、そして翌年の1月9日に肝臓がんという病名でなくなった。

放射線科で撮ったCT写真をもって、消化器内科に行くように言われた。内科医に写真の判定を仰ぐためだと思い込んでいた。なにか説明をきけるのだろうと。ところがいきなり「検査の予約はどうしますか?」と聞かれた。「何の検査ですか?先生に診断していただくためにここに来たのですが」「だから予約、するの?しないの?診断は検査してからでしょう。胃がんの検査と大腸がんの検査と。検査しますか?しませんか?}
まあそういう行き違いがあって、結局は検査予約をとってもらうことにした。胃がんと大腸がんの検査は、嫌でしかたがないが、診断してもらうために必要なら、どうこう言っている場合ではない。検査の判定は2週間先になるらしい。しかも近くの別の病院に回されての検査である。病院はいっぱいいっぱい込んでいるので、はやく予約を取りたければ、そこに出向いて検査を受けるしかない。
もとの総合診療センターの医師のところに戻ってきて、予約してきたことを告げた。検査から判定まで時間があるので、その真ん中の日に肺のCT検査も、入った。撮ったばかりの肺のレントゲンで、肺にまで水がたまっていたためだ。
「ところで先生、わたしさっき、勘違いしてぬか喜び(卵巣癌より胃がんの方が治る可能性が大きい?)していましたが、ひょっとして、肺がんで、胃がんで、大腸がんで卵巣癌、つまり全部である可能性もあるのですね?」
医者は私のほうを振り向いてじっと見た。まじまじと無言で数秒間穴の開くほどじっと視線を私の顔に固定した。何を意味するのかわからないが、何か吃驚するようなことを私が言ったのだろうか?空気を戻すために、医者が答えられる質問をしなければ。
「先生、もし万一その場合は、いろんな科の先生が一緒に手術をして下さるのですか、それとも、手術は別々になるのですか}
医者の視線の固定がようやく外れた。「おそらく先生たちがスケジュールを相談されて、打ち合わせをされて、なるべく一回になると思いますよ」

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