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複葉機


複葉機 2004年5月2日 (Sun) 18:23:05

機体に乗って給油していたら、後ろから大きな怒鳴り声がした。まさか自分に怒りが向けられたとは露知らず、間抜けな顔で振り向いた。

リンドバーグファッション、スカーフまで巻いた男が怒り狂っていた。私の顔を見るとものを言う気も失せたのか、今度はイギリス人の教官ピーターに食ってかかった。
「お前こいつの教官か。何を指導してるんだ」
「彼女は何も間違っていない」
「オレはあやうく死ぬところだったじゃないか。ビュンビュンビュンビュン飛びやがって」
「彼女は場周経路できっちり報告してる。お前こそだいたいラジオ(無線のこと)も付いてない飛行機に乗ってきて、非常識じゃないか」
「ラジオがないと、この飛行場は着陸出来ないのか。違うだろう」
「無謀な飛び方をして、彼女を危険な目に合わせたのは、お前のほうだ。よく反省しろ」

リンドバーグの隣には、やはりビシッと飛行服を着込んでスカーフをなびかせた女性がいる。隣の男性の怒りには全然感染していなくて、物珍しそうにジロジロ私の方を観察している。まさか女、しかも東洋人の女が振り向くとは思ってもいなかったのだ。こんなミズーリ州の小都市(Kenette)で。好奇心丸出しの目だ。

そう言えば、わたしがインドのニューデリーでガイドの説明を一番外周で聞いていたら、大通りの向こうに、キュキュキューと大きな音がしてタクシーが急停車した。バタバタとドアが開いて中からインド人が5人、こちらを向いて大急ぎで走って来る。なんだなんだと思っていると無言で私を取り巻いて、一人が前に出てカメラを構えた。「ああ、写真?シャッター押しましょうか?」と言っているのに、一人が黙って首を振るだけ。後全員は完全無視だ。私を真ん中に押し込みパチパチパチ。そのまま無言で走り出しタクシーのドアをバタバタさせて,再びキューと急発進して去った。何なんだ。立場が逆。私はニューデリーの観光名所か、はたまた商品見本か?私がアガスティアの葉に見えたのか?

殺気もないし不快でもない。ただ人間扱いではなく、たとえば、大人のおもちゃを見つけて、あら、どう動くのかしら、と不思議がる目だ。・・・

男はピーターに言い負かされ、プリプリしながら帰っていく。女はその後を「あら、どう動くのかしら」と振り返りつつ帰っていく。
二人が乗ったのは前後一人づつ乗る二人乗りの複葉機だ。無条件にカッコイイ。ピーターと並んで飛び去るのをじっと見た。「華麗なる飛行機野郎」ちょっと時代がタイムスリップする。「紅の豚」ピーターの目にはそう映ったかもしれない。

Quand nous chanterons le temps des cerises,Et gai rossignol
et merle moqueur serons tous en fete・・・・・・・・・・・


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