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日仏学館創立50周年記念Party

日仏学館創立50周年記念Party 2004年5月19日 (Wed) 14:59:52

動いているつもりだった。おかしい。進んでいない。手を突き出してフロントガラスに触れる。無い。砕けて何もかも無い。顔にぬめりを感じた。手をやる。血だ。バックミラーで確かめる。血まみれだ。頭が切れているのか、割れているのか。事故?証拠写真を撮ろう。カメラに手をやる。血まみれの自分を撮るのか?そこを他人に見られたら。やはり異様だろう。止める。先を見る。バンパーが少し浮き上がって、そこから煙が出ている。逃げなければ。ドアに手をやる。足がピクリとも動かない。血が滲んだ膝の骨が突き出て皿が三角形になっている。急に肋骨全体が痛み出した。息ができないほど痛い。折れたのか。血が吹き出て、目があけておれなくなる。・・・

今日はアメリカ人CCが企画したPartyの日。二人で全部やってきた。ワインにチーズ等の軽食。レコードにPAシステム、ミラーボールのレンタル、アルコールの発注。ポスターの制作。パーティー券300枚の完売。アルバイトの配置、室内のデコレーション,フレンチガーデンの小イベント。何日もかけて、多くの人に会い一つ一つ整えていった。会場は京都の日仏学館館長と交渉して、タイトルも創立50周年記念Partyとした。今日、総合司会を英仏日語でやる。シルバーグリーンのドレス。シルバーのハイヒール。そして何枚かの愛聴盤を車に積んである。綺麗に洗浄して、包帯を巻いて添え木をして松葉杖をついて、遅れていくか。CCに連絡しなければ。それより早く脱出しなければ。

CCと会ったのはCCが日本に来た翌日。雨にぬれて道に迷って20分遅れて教室にやってきた。リスニングの授業のアシスタントティーチャーだ。CCは日本に到着したその足で面接に行き、翌日、つまりこの授業が最初の仕事だった。まだホテルに泊まっていた。週末に家を探すと言っていた。・・いつも帰りに和風パブで語り合うようになった。何より持病が同じだ。吸入器を見せ合って笑った。・・CCに日本語を教えるようになり、毎回父の英文日記を1冊貸し、平行して敗戦直後の日本を教えた。CCは日本に順応するのが驚くほど速かった。私よりも15若い。一ヵ月後にはクラブに所属するファッションモデルになった。当然語学学校(ECC)でも人気絶大だ。とても柔軟な性格でその上謙虚だ。ただCCは語学の教師やモデルより将来的には別の何かをやりたがっていた。このPartyは、とりあえずのワン・ステップだった。

結局私は膝の皿と大たい骨の複雑骨折その他で、レントゲンを見ながらの観血手術、3ヶ月の絶対安静、六ヶ月の入院、一年のリハビリ・・という、とんでもない悲劇のドラマをこの先体験することになるのだが、当初は何とかPartyに行けると思っていた。休日の筈だった院長が出てきて、私の膝にドリルで金属の棒をゴリゴリゴリゴリ回転させて貫き通した。膝の骨が出会い頭に、癒着しないためだ。さらに足の先に錘を付けて引っ張る。院長は滑車の原理で説明した。すでに頭は7針ほど縫った。服も顔も髪の毛もシーツもマットレスも何もかも血まみれでベトベトだ。

その頃日仏学館の会場には、私の友達も多く詰め掛けていた。花束を持って。渡す相手が見当たらないのでウロウロしていた。CCが急遽オープニングの挨拶を代理で始めた。訳がわからず不安で声が震えている。
       「 SPECIAL THANKS TO MY FRIEND BRUXELLES.」

18年前の今日の出来事だ。
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Il pleut sur Bruxelles. par DALIDA

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