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迫力のある人(6) 告白編

迫力のある人(6) 告白編 2004年7月3日 (Sat) 19:10:57

「包丁突きつけられて、どうしたの?」
「取り上げようとして、腕をつかもうとしたら振り解かれた。」「それで」「テーブルに力任せに包丁を突き立てようとしたのだと思う。昔、押し売りがしたように、グサッと」「それで?」「岡田さん(仮名)がエイって言って投げたんだけど、そのテーブルの板がデコラ張りで、カタカタカタって、また気の抜けた音がしたのよ」「クックックッ。そ、それで。クックックックッ」
「Bruxellesさん、ここは笑う所と違うよ」「ごめんごめん、クックックッ、それで?」「それでワァーって泣き出した。そこまでいったら、泣くしかないでしょ。人間の感情として」「そのカタカタで、笑うという方向もあると思う」
「あそこで岡田さん、おかしくなったのよ」「それいつごろの話?」「一年半くらい前かなあ」「じゃあ、噂は本当だったのね」「なんの噂?」「えッ、あのBさんが、B太夫がさ、女を精神病院送りにしたという話。どこで、どういう関係を持っていたの?」「私、腎臓病で、入院してた。そしたら、あの人が布団の中にもぐってきたのよ」「病院の病室で?」「・・」「岡田さんも、女学生でもないのに、なんでそんなに思いつめたんでしょうね」「・・」
「一年半前の6月だったら、岡田さん私の2N世代の出版記念Partyに、木村さんにエスコートされて来たよ。正常だったけどね。イエローのスーツ着て」「それは私が上げたものよ。6月末におかしくなったの」
「じゃあ、あのすぐ後。木村さんが2N世代、Bruxelles6月25日と刻印した鉛筆をお祝いに5ダースくれたから。B太夫も罪深い過去があるのね」
「今ね太って60?もあるそうよ」「えェ、Partyに来たときせいぜい48?くらいに見えたけど。薬の副作用?今はもう回復したのかな。向こうのダンナさんに怒られた?」
「男の沽券に関わるでしょう、怒ったら」
「谷崎潤一郎の世界ね」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「母は止めなかったの。知っていたのよ、父が死ぬって。TVで青酸カリ飲んでウウウってもがくシーンがあるでしょ。あんなのウソよ。ウッっと一瞬で終わり。私の目の前で父が自殺したの。四国で貴族議員をやってたの。だから私は母を許さない」「多感なときに目の前で・・」
「その後戦争。Bruxellesさんは知らないだろうけど。焼夷弾の下を走った」「B太夫に会った時、迫力のある人だと思ったけどそんな過去があったの・・。お父さんが死んだら、お金持ちの家も突然貧乏になるわけだし。まして戦争の混乱・・。それから戦後の混乱。治安も悪かったろうし、B太夫はどんな青春をおくったの?」「一言では言えない」

私はB太夫とニックネイムを付けたBさんと、畳の上に寝転んで「海ゆかば」を小さな声で歌った。・・

Bさんが求めているのは、人妻の岡田さんや男優のCさんや夫のDさんではない。混乱の中で迷子になった小さな女の子、自分自身のような気がする。
「Bruxellesさん・・」
「B太夫、やっぱりカタカタで笑うべきだったんだと思う。あのね、笑いだけが、状況を救う場合が、あると思う。笑いって、すごいよ」

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