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「遠近法の書」(または昨日の追記)


「遠近法の書」(または昨日の追記) 2004年9月29日 (Wed) 18:20:56

・以前原田さんは私に「東京でと同様大阪でも周りの人を煙にまいているだろうBruxelles」と言ったことがあるが、原田さんの煙にくらぶれば私の煙など、遊園地の忍者アトラクション程度のご愛嬌である。原田さんの煙はすでに彼女自身を足元からすくっているように思えるときがある。・・(略)・・
もしかして人間存在とは火葬するときに吐く煙の色に過ぎないのでは、と思うときがある。少なくとも存在とは、そういった比喩の連続ではないだろうか。
ー思潮社刊「遠近法の書」(原田かえで著)詩集評より抜粋ー
...................................................
「海とユリ」の合評会が終わって帰る途中、イスの片付けをしてこなかったと気づいて、急遽早稲田に引き返した。すっかり片付いて照明を落とした店で、ママさんと原田さんがしみじみと語り合っている。「私の美しい背中を見てくれ」といつも背中しか見せない原田さんが、ほとんど無防備な姿で、ママさんに若き日の結婚の失敗を語っていた。「失敗」という言葉から1番遠いところに居る筈の原田さんが。場違いなので黙って帰ろうとした私に気づいてママさんが声をかけた。
「今日昼間,早稲田の学生たちが、Bruxellesさん、あなたのことをここで話してたわよ」
私の知らない原田さんが振り向いた。
ママさんは”失敗”の相手も知っているらしかった。フレーベル館で見る颯爽とした原田さんではなく、まるでフラレ女のように繰言を並べる原田さんが居た。場所と相手によって人は豹変するものかもしれない。

しばらくして原田さんから、彼女が以前思潮社から出した詩集「野猿伝説」が送られてきた。私よりも親友の姫神さんがファンになった。どこがいいのと聞いたら「自分をハイエナに擬するその視点の決意に感じ入る」と言った。確かにその頃原田さんは「詩学」に「マッカナソラトビー」と言う素晴らしい作品を発表していた。

4年後彼女の翻訳本「エルフランドの王女」(原作ロード・ダンセイニ。月刊ペン社妖精文庫)が送られてきた。ゲーと言うほど文字で一杯の本だ。翻訳家デビューしたことになる。さらに2年後「影の谷年代記」(原作ロード・ダンセイニ。月刊ペン社妖精文庫)が出版された。そしてそれはさらに12年後「影の谷物語」(ちくま文庫)として筑摩書房から再販された。

これらの翻訳の後、原田さんは突如文武両道を志し合気道で全国制覇を達成。私生活ではかなり若い後輩と再婚した。出版社をやめフリーの編集者になってもいた。その後が原田さんらしい。1年もたたないうちに港区高輪になんと、整体治療院を開業、仲間達をアッと言わせる変身を遂げたのだった。

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「Marinella」 par Tino Rossi


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